学生時代、歴史の授業で最も苦労したのは、人の名前と年代を覚えることでした。特に外国人の名前と外国の地名を覚えることは容易ではなかったのです。今も聖書を読むときに、人名や地名が出てくると小々戸惑うのはその時と変わりません。
信者たちが聖書を読みつつも、途中でやめる理由の一つが、理解に苦しむ、難しくてつまらない、と思われることが繰り返される時です。創世記では「夕となり、また朝となった。第何日である」という言葉が続けられるために、1章を読み終わらせることが苦痛ですきついし、マタイによる福音書でも「誰の父」から始まる系図の話にあきれるはずです。それでも初めて聖書を読む人には、マタイによる福音書から読むよう勧めるのですが、それはイエスの系図の話がマルコによる福音書には書かれていないからです。
1日2時間の祈りと3時間の聖書研究を数十年間続けて来た朴潤植は、一般信者はもとより、牧師たちでさえ敬遠しがちな、聖書の系図や、「代々の年」に関する著書を続々と出版しています。「創世記の系図」、「忘れていた出会い」に続いて、この度「永遠に消えない契約の灯火」が出版されるのは、今まで著者が積み重ねて来た努力の結晶であると思います。これからも9冊の本が出版され、全12冊の救済史シリーズを完結させる世に出すと言われているので、非常に期待されます。
救済史シリーズ3巻に当たる「永遠に消えない契約の灯火」は御子イエス・キリストの系図を扱っているために、その始まりが永遠の神にまで遡っています。
大いなる全能の神が初めて計画された人類の救いが、その子イエス・キリストの系図に現れている事を明らかにしています。また、永遠の神の契約は、木が切り倒されても、その切り株は残されるように、聖なる種族を通して実現されてきたことを証明しようとする試みが、「永遠に消えない契約の灯火」によく表れています。イエスの系図に載せられた先祖の歩みは山あり、谷ありでしたが、神の救いのご計画は変わることなく成し遂げられている事をあきらかにする貴重な研究が「永遠に消えない契約の灯火」なのです。
本書は下向式系図であるマタイによる福音書に表れたイエスの養父ヨセフの系図や、上向式系図で神にまで遡るマリアの系図が、アブラハムとダビデの子孫イエス・キリストの世系(系図、系譜)であることを明かしています。また、ダビデの子の代から分かれるルカによる福音書の系図(神からイエス・キリストまで)とマタイによる福音の系図(アブラハムからイエス・キリストまで)に登場した人物をよく纏めています。
著者の相当な聖書知識と深い研究の実が、「永遠に消えない契約の灯火」という本となって出版され、多くの聖徒たちを、正しき理解の道へ導いています。聖句辞典や原語研究、聖書学者たちの注釈、国語辞典に書かれた意味までも細かく、また丁寧に紹介しています。読者は、今までボンヤリとしか理解していなかった聖書の系図や年代などに関心を抱くのみならず、これまで隠されていた神の経綸の奥義に触れることができるでしょう。誤解を招くような不十分な物話ではなく、整いそろっている文書を通して、朴潤植牧師の真価が明らかにされる機会となる事を切に望みつつ、本書を推薦します。
前 聖潔大学校 総長
ソン・ギホ