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聖書は生きておられる神の御言葉です。もし聖書がなかったなら人類は暗黒の中で、何の希望もなく過ごしてきた事でしょう。創世記は聖書の序論でありながら、聖書全体を通して示されている救いの原理の根幹をなしています。創世記を理解せずに聖書の核心を突く事は決して出来ません。また、創世記は10に区分された系図(トーレドート)で構成されています。創世記の系図を研究する事によって、聖書全体を貫く神の救いの御旨を知る事が出来ます。 まさに、本書はそれほど重要な創世記の系図を救済史的見地に立って研究しています。私はこの著書を読んで、新鮮な衝撃と共に驚きを禁じえませんでした。それは、朴潤植牧師が80歳を超えた高齢にも関わらず、その鋭い洞察力と精力的な探究心が私の想像をはるかに超えるものであったからです。 国内外に、創世記の系図を研究のテーマにした書籍は数多く出版されていますが、本書は様々な意味で類を見ないものであり、この分野に於けるパイオニアであると言っても過言ではありません。 本書は、アダムからアブラハムまでの系図に登場する人物の生涯をそれぞれの年代ごとに区分し整理しています。これは、この分野を専門とする研究者にとっても、実に困難な作業です。それを一人の老牧者が見事に成し遂げたとは実に驚くべき事です。中でも特に注目したのは、記されている内容の殆どが聖書に基づいて救済史的立場で書かれてあるため、イエス・キリストの姿を細部に至るまで明らかにあらわしています。 著者がこの短い系図を通して、これほど膨大で学術的価値のあるものとして完成させるためには、どれほど長い歳月をこの研究のために費やして来られた事でしょうか。 文書は書き手の思想を表すと言われています。まさにこの本は、筆者の持つ聖書に基づく福音的な信仰を知るに充分なものです。私は本書を通じて、朴潤植牧師が、「ただイエスのみ」と信じ、福音を証しせんとする健全な信仰の持ち主である事を確かに知る事が出来ました。これは、今日まで師に対して持たれていたすべての誤解を払拭するに余りあるものです。 日増しに暗雲が立ちこめる今の時代に、このような尊い本が世に出たことは、まさに暗闇の中に照らされた光であると思います。これは韓国キリスト教会にとって、まことに幸いなことであり、神から与えられた大きな祝福です。本書が、一人でも多くの牧会者や信徒たちに読まれ、韓国キリスト教会が、御言葉に立ち返る運動の基となる事を切に望みつつ、積極的に本書を推薦させて頂きたく思います。 本書に出会ったすべての人々に、聖なる三位一体の神の祝福が豊かにあらん事を祈りつつ。
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前 総神大学校 総長 車榮倍
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