2019.08.23 10:21
ナホルは、世俗主義にどっぷりつかった貪欲の人でした。もしナホルが世の貪欲を憎んでいたならば、箴言28章16節のとおり長生きしたはずですが、彼は貪欲を断ち切ることが出来ず短命で終わってしまいました。
箴言28:16 悟りのないつかさは残忍な圧制者である、不正の利を憎む者は長命を得る。
ルカ12章15節でイエス様も「あらゆる欲に対してよくよく警戒しなさい」と言われ、使徒パウロもエペソ書5章3節で「また、不品行といろいろな汚れや貪欲などを、聖徒にふさわしく、 あなたがたの間では、口にすることさえしてはならない」と言われました。欲はあらゆる偽りを働かせ、神を捨ててでも、または利用してでもその欲しがるものを得ようとします。時には信仰心までも肉体の欲を満たすために悪用しようとする破廉恥な心であり、それこそ偶像崇拝です(コロサイ3:5)。まさにナホルがそのような者でした。
それほど気力を尽くして努力し、忙しく全世界を歩き回ったとしても、突然神様がその霊魂を回収してしまえば、その人生の結果はいかに空虚でしょうか。ナホルは天下を取ったように誇りましたが、結局自分を失った愚かな人でした(マタイ16:26,ルカ9:25)。イエスはこのように愚かな者たちに向かって「愚かな者よ、あなたの魂は今夜のうちにも取り去られるであろう。そしたら、あなたが用意した物は、だれのものになるのか」(ルカ12:20)と警告されました。
ナホルが信仰を守るために、罪の世から自分の聖さを守るために、そして罪の世と戦うことに奮闘して力を尽くしたなら、神様がどんなに喜んだでしょうか。
絶えず捨てて離れること、それが神様の喜ぶ裸の信仰の本質であるにもかかわらず(ヨブ1:21,伝道5:15,Ⅰテモテ6:7-9)、ナホルは名誉、財産、富に満足し、それを頼りとし、それを見たときに心強くなって鼻歌を歌い、生き甲斐を感じたのです。生涯を自分のあらゆる欲求を満たすために日々鼻息、裏風を起こすことに忙しかったのです。
こうしてナホルの名前の中には信仰人としての敬虔の美はまったく見えず、神様と完全に断絶し、かけ離れた人生を生きた痕跡だけが見えています。結局このような人生の終末は、創世記6章3節のとおり神の霊が離れた肉体主義であるのみです。信じると言いながら実は神のない、完全に感覚的、物質的な人生に転落してしまったのです。
ローマ1章21-32節には、そのような者たちを一つ残らず告発しています。
彼らは神を知っていながら、神としてあがめず、感謝もせず(21節)
彼らは神を知っていながら、知恵もなく愚かになり(22節)
彼らは神を知っていながら、神の栄光を偶像に変える者(23節)
彼らは神を知っていながら、神の眞理を変えて虚偽とする(25節)
彼らは神を知っていながら、恥ずべき情欲と淫乱な思いだけで(26-27節)
彼らは神を知っていながら、神を認めることを正しいとしなかった(28節)
彼らは神を知っていながら、あらゆる不義と悪事をたくらみ、恩を知らず、思議に背きます(29-31節)
こうしたことを行うと死に価するという神の定めを知りながら、恥を知らずに続け、他人までもそうするように誘導します(32節)。このように不信者より憎らしく、敬虔ではなく、不義な姿で生きる者には天から神の怒りが降り、彼らを撃つと言われています(ローマ1:18)。
まさにナホルがそうです。いかに多くの財産を所有しているといっても、神様がアダムの鼻に吹き入れた息を奪い取れば人間はナホルのようにぜいぜい言いながら終わってしまうのです(創2:7,ヨブ33:4)。
敬虔なセツの子孫の堕落は時間が流れるにつれ酷くなり、リウは神との関係よりも人間関係を優先し、セルグは自分の力と能力を頼りにし、ナホルは世俗主義に染められた貪欲の存在として生きていきました。彼らは神をまったく知らない人でもなかったにもかかわらず、後には信仰を捨てて忌むべき偶像に仕える悲劇的な姿に転落してしまいました(ヨシュア24:2,15)。物質主義の信仰に完全に変質し、退歩したのです。
まさに肉の欲するところは御霊に反し、反することによって真理の御言葉から外れたのです(ガラテヤ5:17)。
これはぶどう園に2つの種を蒔く行為です(申22:9)。
これは牛とロバを組み合わせて耕す行為です(申22:10)。
これは羊毛と亜麻糸を混ぜて織る行為です(申22:11)。
これは信じる者と不信者、キリストとべリアル、神の聖なる宮と偶像を一致しようとする忌むべき態度です(Ⅱコリ6:14-16)。
まことの信徒であるなら、貪欲と言う偶像崇拝を捨てて(コロサイ3:5)、世と混じって変質された物質主義信仰を果敢に脱ぎ捨て、神の御心のために息がぜいぜいするほど熱意ある神の真の民になるべきです。
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