2015.07.13 13:35
創世記5章と11章に出て来る系図は、アダムからアブラハムまでの20代の族長たちを記録しています。アダムからアブラハムに至るセツ系列の系図は、年代的に途切れることのない記録です。
創世記の系図を研究したモリス(Henry M. Morris)は、アダムから10代目のノアまでの族長たちの生まれた年と、死んだ年を聖書にある記録を根拠にして計算しました。彼は、「この記録の中に、ある時間的の空白があったとか、または一般的な年度ではない異なる年度を指している、と考える必要がない。この記録は完全で、実に合理的で事実そのままであり、約束された系図を提示するのに必要な年代的な骨格を提供するためのものであることに間違いない」と言われました。
アメリカの旧約学者フリーマン(Travis R. Freeman)もまた、創世記5章と11章の系図が、時間的な空白や途切れた所がなく、持続的であるという見解を持っています。彼は、Journal of Creation(TJ Magazine)の中で、「多くの現代神学者たちは、創世記5章と11章のアダムからアブラハムまでの系図に出てくる人名と数字は、一つも欠ける事なく正確に一致していると主張しています。彼らは、『聖書の系図の中には、名前が省略されている部分が確かにあるが、だからと言って、すべての系図が省略されているわけではない。創世記5章と11章の系図だけは、その法則から除外されるであろう』と述べています」と著わしています。
クーリン(Samuel R Külling)も、このような立場を取る学者の一人です。彼は、エズラ7章とマタイによる福音書1章の系図が連続的でないことは確かであるが、聖書にはそれとは異なる類型の系図も存在するという事を述べています。彼は、創世記5章と11章にある2つの系図を例に挙げて、それぞれ長子が生まれる時の父の年齢が記されているのを見て、確かにこの2つの系図は、時間の順に正確に記録された年代記であり、この2つの系図には省略された部分はないと主張しています。
特に、創世記でイサクが生まれた時のアブラハムの年齢と、ヤコブが生まれた時のイサクの年齢が明確に記録されている事自体が、まさに正確な「年代記」を作成する事を意図したものであると強調しています。
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