2016.05.16 17:22
メトセラを通して、終末に対する意識を持ち続けることになりました。
エノクは65歳の時、彼の人生の大転換期を迎えました。すなわち、息子メトセラの出生がその後のエノクの生き方を一変させたのです。聖書はエノクがメトセラを生んで後に、神とともに歩むようになったと明言しています(創5:21‐22)。これは、エノクが神とともに歩むことになった決定的な動機が、メトセラの出生と関連していることを意味します。エノクは「彼が死ぬと世の終わりが来る」との意味を持つその子の名前を呼ぶたびに、日々裁きのメッセージを想起しつつ、慎しみながら終末に備える信仰を持ち続けたのでしょう。
エノクは世から離れ、修道士のように隠遁生活をしたわけではありません。その時代の人々と同じように子を生み、養い育てながら暮らしたのです。家族の生計のために労働もしなければならなかったことでしょう。罪悪化した世俗文化が時代を支配する中で、「神とともに歩む」ということは決して容易なことではなかったはずです。しかしエノクが神とともに歩むことが出来たのは、一言で「裁き」、すなわち世の終わりに対する意識を持っていたからです(ルカ21:32‐36)。
ユダの手紙14~15節は、エノクの持っていた終末論的な信仰を確かに裏付けています。つまり、エノクは当時の不敬虔な言葉や行為に対する裁きを宣べ伝える預言者的な役割を担っていたことを知ることが出来ます。
ユダ1:14~15
アダムから七代目にあたるエノクも彼らについて預言して言った、「見よ、主は無数の聖徒たちを率いてこられた。それは、すべての者にさばきを行うためであり、また、不深心な者が、信仰を無視して犯したすべての不信心なしわざと、さらに、不信心な罪人が主にそむいて語ったすべての暴言とを責めるためである」。
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