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2015.07.17 17:18
第3に、マタイによる福音書に記されている系図と創世記5章と11章に記されている系図は、それぞれ独自性を持っています。マタイによる福音書の系図と聖書の他の歴史的記録を比較すると、マタイによる福音書の系図は、確かに省略されている部分が多いのは事実です。しかし、それはマタイの福音書が血統を伝える目的で記録されたものではなく、神の救済史の実現を強調しようとする意図をもって、聖霊の感動を受けて記録されたものであるからです。
マタイによる福音書の系図は、イエス・キリストによる救済史の絶頂に至るまで、神の贖いの御わざをあらわす人物を中心に、各14代ずつを3期にわけて記録しています。上述したように、マタイによる福音書には聖書の系図の記録をすべて歴史的に正確に記してはいません。
著者は、ユダヤ人を対象に彼らが確かにイエスが約束されたメシヤである事を理解し、快く迎え入れる事ができるように、あえてイエス・キリストの系図をアブラハムから記し始めました。すなわちマタイによる福音書の系図は、歴史的な出生と子孫たちに対する記録を正しく伝えるためではなく、信仰の血統がどのようにつながってきたのかに焦点を合わせたのです。
このように、救済史的意図によって記録されたマタイの福音書の系図を根拠に、創世記5章と11章の系図の歴史性と正確性の信憑性を疑う事は妥当とは言えません。創世記5章と11章の系図を、記されてある通り受け入れて、改めて年代の正確性を問うてみるならば、確かに聖書の無誤性と霊的奥深さに驚愕し、感動を覚える事でしょう。
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