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 カインの子孫たちによる殺戮と虚偽が横行し全地に暗い影が覆っていく中で、アダムは神が救済史の目的を持って「代わりの子」を授けられたことを悟りました。感謝を持ってその名を「セツ」と名づけました。アダムはセツの系列を通して、必ず神が約束された人類の救い主が来る道が開かれることを確信したのです。
 幸いな家庭から一変して、涙と悲しみの家と化してしまったアダムの家庭が、セツによって再建されたのは「代わりの子」を通して、何としても女のすえを生まれさせようとする、神の熱心にほかなりません。この人類救済に対する神の摂理は、時を越え、時代を越えてついに、おとめマリアを通して誕生されたイエス・キリストへとつながれたのです。イエス・キリストは人ヨセフの種ではなく、聖霊によって生まれた「代わりの種」でした(マタイ1:18-20)。堕落した人類を救おうとする神の御旨は、人間の知恵と力によっては到底理解することが出来ないほど大きく、まさに驚くべきものです。また、セツは「代わりの子」であると同時に、「固定された者」、「基礎」でもあります。これは神のかたちを受け継いだセツが、信仰に堅く立ち、救済史の中で約束されたメシヤが来る道を揺るぎないものとするようにとの願いが込められています。
 真の教会は岩なるイエスの御言葉の上に建てられてこそ、崩れることなく、陰府の力もそれに打ち勝つことは出来ません(マタイ16:18,7:24-27)。世の終わりには、セツの系列を通して来られるイエス・キリストの土台の上に、地上の教会が堅く建てられるのです。

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