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4. レメクは闘争と殺戮によって築かれた文明をその子孫に伝授しました。

 カインの系列の子女教育は知性、品性、霊性の回復からは遠くかけ離れているように感じられます。彼らは人本主義の勢力を増大させるために文明を発達させ、世代を重ねるにつれ、より神に敵対するようになりました。


(1)【レメクが初めの妻アダに産んだ子は、ヤバルとユバルです】


創世記4:20~21 

アダはヤバルを産んだ。彼は天幕に住んで、家畜を飼う者の先祖となった。その弟の名はユバルといった。彼は琴や笛を執るすべての者の先祖となった。


 ヤバルは「導く、移す、じめじめとする場所を探し求める」という意味で、彼は家畜を飼う者の先祖となりました。しかし実際ヤバルは家畜を飼ったはじめの人ではありません。なぜならアベルも家畜を飼っていたからです(創4:2)。ヤバルはテントで生活し、住居を転々としながら家畜を売買した人類初めの行商人であった可能性が大きいのです。

 ここに出てくる「家畜」のヘブル語は「ミクネー」で、これは「売買出来る家畜」という意味です。すなわち、商取引用の生きている財産を言います。この事からヤバルやその子孫は家畜の売買を生業としていたと言えます。

 一方、ユバルは「音、音楽」という意味で、彼は琴や笛を執る音楽家になりました。それが神を讃美することに用いられれば大変良かったのですが、実際そうではありませんでした。彼らの音楽とは神を讃美する正しい音楽ではなく、享楽にふけるために楽しむ音に過ぎませんでした。これは笛のヘブル語源が「(官能的な)愛に落ちる」という動詞「アガブ」から由来する「ウガブ」である事から、その意図するものが見えてきます。このように、ユバルの音楽は神を讃美するためのものではなく、すべて肉体的な快楽と享楽にひたるためのものでした。


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