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 イラデの子メホヤエルの名は「神が痕跡もなくぬぐい去る者」という意味です。その名の語源は、「掃きすてる、消し去る」という意味のヘブル語「マハー」と「神」を意味する「エル」の合成語です。これらを総合すると「メホヤエル」の名の意味は「神がぬぐい去らせた者」、「神が名を消してしまった者」と解釈する事が出来ます。なんと呪いに満ちた名前でしょう。名前はその人の存在を象徴するものです。したがって名前を消すということは、その存在自体が消滅されることであり、極刑の裁きを受けたことになります。

 

 メホヤエルが一体どんな人物だったために、このような恐ろしい名前が与えられたのでしょうか?聖書には、彼の行跡や人柄を示す記述は一切ありません。しかし彼の名前に使われた、「マハー」というヘブル語の言葉と同じ言葉が使われている箇所を調べてみると、彼がどのような人生を送った人であったのかをおおよそ知ることが出来ます。

 「メホ」という名前のヘブル語の語源「マハー」の基本的な意味は、革の巻物に付着したインクの跡を海綿などで吸収させて洗い落とすところからきています。すなわち、革などに付いたしみを消すように個人の名前や生涯の業績を消滅させたり、ひいてはひとつの国家を滅亡させるなど、存在自体を消して無くすことは最も恐ろしい裁きに相当するものです。その言葉は主に、犯罪者に下された最も恐ろしい裁きや刑罰を指す時に多く用いられました。代表的な例として、ノアの洪水に関する記述の中で「わたしが創造した人を地のおもてからぬぐい去ろう…」(創6:7)、「地のおもてにいたすべての生き物は、人も家畜も、這うものも、空の鳥もみな地からぬぐい去られて」(創7:23)と記されている御言葉にある「ぬぐい去る」という言葉に「マハー」が使われています。このように「マハー」は罪に対する裁きで、すべてのものをぬぐい去らせるという意味で使われました。

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