b86db23f9d8ca68ea2d4c570599efb89.jpg 

 

 メトサエルはメホヤエルの子で(創4:18)、その語源を調べると相反する2つの意味があることが分かります。
 1つ目は、一般的な人を指すヘブル語「マット」と、地獄を指す「シェオール」の合成語で、「地獄の子」という意味です。旧約聖書で「陰府」は、主に墓や地獄、すなわち死者の世界を指す場所として使われています。これはメトサエルの生涯が神と共に歩むことなく、自らの欲望によって世の欲を追い求めて生きた結果、死者の世界である地獄に落ちてしまったことを表しています。
 2つ目に、「メトサエル」の語源「マット」と、神の名「エル」の合成語としてみる見解です。これは「神の人」という意味です。メトサエルの父メホヤエルは子が産まれた時、その子に「神の人」という意味を持つ名をつけたでしょう。メホヤエル自身、「神が跡もなくぬぐい去らす者」という名であったことから、彼の人生がその名の通り、自分が築いてきたものがすべて一瞬にして消え去る虚しいものであった事から、自分の子供だけは「神の人」となって神の御手に守られて平安と祝福に満ちた人生を送ることを願った事でしょう。それで子の名前をメトサエルと名づけたと考えることができます。

 

 しかし、メトサエルの子「レメク」がカインより更に悪しき殺人者となったことを見ると(創4:23-24)、「メトサエル」の人生が神の人ではなく、地獄の子としての人生であったことが推測出来ます。

XE Login