2015.09.15 12:13
「マハー」は罪に対する裁きで、すべてのものをぬぐい去らせるという意味で使われました。この他にも数多くの例がありますが、大きく2つに要約する事が出来ます。
第1は、町や種族などに対する徹底的な破壊と消滅を指す場合に使われています。
神の前で罪を犯した種族や町に対して聖書は、「マハー」という言葉を使うことによって「消滅」させることを表しています。列王記下21章13節「人が皿をぬぐい、これをぬぐって伏せるように、エルサレムをぬぐい去る」という御言葉の中にも使われています。これらはヘブル語「マハー」で、神の裁きの行為を描写しています。
また士師記21章17節の「イスラエルから一つの部族が消えうせないために…」という御言葉の中で、「消えうせる」も同じく「マハー」の意味で滅びの危機に直面したベニヤミン部族の救済方法を論じる中で使われています。このように、「マハー」とは神に罪を犯した町や種族らに対して、彼らの存在をまったく記憶に止めないほど、「完全に消して去らせる」という脈絡で使われている裁きの言葉です。
第2 は、人の名前や記憶を消す場合に使われています。
代表的な例が、アマレク人に関する記録です。出エジプト記17章14節「わたしは天が下からアマレクの記憶を完全に消し去るであろう」、また申命記9章14節にも「彼らを滅ぼし、彼らの名を天の下から消し去り」という御言葉が記されていますが、ここでも「マハー」という言葉が使われています。アマレク人はイスラエルの民がエジプトから出て来た時、うみ疲れてうしろについていたすべての弱っている者を攻め撃った人々でした(申命記25:18,サム上15:2)。神はその事を御心に留められ、イスラエルの子孫たちにアマレクの名前を記憶から消し去らせるようにとお命じになりました。まさに名前を消し去るという事は、その人の存在価値を全く消すという恐ろしい裁きの宣言です。
これらの2つの例を見る時、「マハー」という言葉が主に神の御心に逆らって、罪を犯した種族や町や個人を滅ぼす神の裁きの中で使われている事が分かります。メホヤエルの人生は絶えず神の民を苦しませ、神の御心に立ち向かったアマレク人や、すべてその心に思いはかることが常に悪しき事ばかりで、暴虐が地に満ちたノアの洪水当時の人々と同じであったことをメホヤエルと名付けられた彼の名前を通してうかがい知ることが出来ます。
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