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 「カイナン」の語源はヘブル語「カナン」で、これは「巣を作る」、「塒を設ける」という意味があります。人間の弱さと力のなさを悟ったセツの子孫たちは、エノスの誕生を境に主の名を呼び始めました。そして真の悔い改めと共に主の御名を呼びながら、信仰の復興に努めました。そしてエノスの子、カイナンの時、ついに彼らの信仰は「巣を作り、塒を設ける」という形となって表れたことを、この「カイナン」の名から読み取る事が出来ます。

 

カイナンは「思いがけない時に憐れみを受けた」という意味です。

 カイナンは神の摂理の中で思いもかけない時に与えられた贈り物として、大きな喜びをもたらした子であったようです。これはイエス・キリストによって与えられた救いが、神の憐れみによって、私たちに与えられた「思いがけない贈り物」であることを示すものです。では、なぜイエス・キリストが人類にとって思いがけない贈り物なのでしょうか。

 

 1つは、その救いの愛と恩寵がはなはだ大きく、はなはだ高く、はなはだ深い故に、人間にとってまさに「思いがけない」ことです。さらに驚くべきは、その贈り物がすべての人に与えられ、授かる者に喜びをもたらす良い物であるということです。
 
 2つは、私たちが「救い」という贈り物を受けるに値しない存在にも関わらず、与えられたことが「思いがけない」ことです。何らかの資格や理由があって与えられたのではなく、一方的に与えられた恵みです。まことに私たちが賜わった救いは、「思いがけない喜び」であり、「栄光の贈り物」、「最も大きい贈り物」です。

 

エペソ2:8~9 
 あなたがたの救われたのは、実に、恵みにより、信仰によるのである。それは、あなたがた

 自身から出たものではなく、神の賜物である。決して行いによるのではない。

 

 聖霊によってイエスをみごもったおとめマリヤの場合がまさにそうでした。救い主をその身に宿すという「思いがけない贈り物」は、マリヤにとって最大で最高の祝福でした。

 

ルカ1:28~30 
 御使がマリヤのところにきて言った、「恵まれた女よ、おめでとう、主があなたと共におら

 れます」。この言葉にマリヤはひどく胸騒ぎがして、このあいさつはなんの事であろうか

 と、思いめぐらしていた。すると御使が言った、「恐れるな、マリヤよ、あなたは神から恵

 みをいただいているのです」

 

 また、真夜中に羊の番をしていた羊飼いに突然もたらされた救い主の誕生の知らせは、「思いがけない喜びの知らせ」でした(ルカ2:10)。
 イエス・キリストは、神の摂理によって「時の満ちるに及んで」来られたお方ですが(ガラ4:4)、神の愛と憐れみとによって世にあるすべての罪人に与えられた、思いもかけない贈り物であり、福音なのです(ヨハネ1:14,16,3:16,ローマ5:15,Ⅱコリ9:5)。

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