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 1. 神の偉大な歴史的御わざを連想し、記憶に留めておく事が

出来るようにと「記念日(memorial day)」を制定されました。

 過越の祭りを記念日として定め、「永久の定め」として守るよう命じられました(出12:14,17:14)。その命令に従ってイスラエルの民は、種入れぬパンと苦菜を食べました(出12:8,民9:11)。これは、死の災いが彼らの前を過ぎ越すことによって死を免れ、出エジプトの救いの出来事を記憶し、記念するためのものです。

 

出エジプト記13:16 

 そして、これを手につけて、しるしとし、目の間に置いて覚えとしなければならない。主が

 強い手をもって、われわれをエジプトから導き出されたからである。

 

 イスラエルの人々が必ず守るべき最も重要な3つの祭りがあります。それは、過越の祭りと七週の祭りと仮庵の祭りです(出34:22-23,申16:16)。この3つの祭りは、過去のイスラエルの歴史において、神が施された大いなる贖いの恵みを覚えさせるという意味があります。

  また神はこれらの他に、代々守るべき記念日として、安息の日を聖なる日として守るように、以下のように命じておられます。「あなたがたは必ずわたしの安息日を守らなければならない。これはわたしとあなたがたとの間の、代々にわたるしるし」(出31:13)、「わたしはまた彼らに安息日を与えて、わたしと彼らとの間のしるしとした」と語られました(エゼ20:12)。

 

 

 

 2.神が人間の歴史に介入された時、その御わざによって生じた

副産物を「記念物(Memorials)」として保存するよう命じられました。

  これら一つ一つの記念物もまた、イスラエルの民が苦難の歳月の中で、神から施された恵みを覚えて、神に対する感謝の心を忘れないようにするためのものでした。ここで、聖書の代表的な記念物をいくつか調べてみましょう。

 

 まず、コラ一同と会衆のうちから選ばれて、つかさとなった人々250人がモーセとアロンに逆らったとき(民16:1-3)、 地は口を開いて、彼らとその家族、ならびにコラに属するすべての人々と、すべての所有物をのみつくし、また主のもとから火が出て、薫香を供える250人を焼きつくしました(民16:31-35)。この時、神様の命令を受けたモーセはエレアザルに告げ、「罪を犯して命を失った人々の、これらの火ざらを、広い延べ板として、祭壇のおおいとし、イスラエルの人々に、しるしと」させられました(民16:36-40)。

  つぎに、アロンの杖です。イスラエルの民がモーセとアロンの指導権をめぐって異議を称えて来た時、神はアロンの杖にのみ、芽が出るようにし、アロンが神から選ばれた指導者である事を民の前に明確に示されました。神はこのアロンの杖を契約の箱の前に置いて保ち、逆らう者たちに対するしるしとするよう命じられました(民17:10)。また神は、荒野でイスラエルの民に食べさせたマナをつぼの中に入れて、子孫たちがそれを見ることが出来るよう契約の箱の前に置いて蓄えておくよう命じられました(出16:32-34)。神は二つの石板も契約の箱に入れて保存するようにと命じられました(申10:2,5)。このように、これら三つのしるしを契約の箱に入れて(ヘブル9:4)保存し、代々にわたって神の恵みを覚えさせる記念物とさせました。

  荒野でイスラエルの民が造った青銅のへびも記念物の一つです(民21:4-9,列下18:4)。イスラエルの民が荒野の生活の厳しさのゆえに、神とモーセに言い逆らった事を怒り、神は火のへびを民に向かって送られました。その火のへびに噛まれた多くの民が次々と死んでいく中、その青銅のへびを仰ぐ事によって、命を得る事が出来るようにして下さったのです。この青銅のへびは、のちの世に対した、十字架に掛けられるイエス・キリストを象徴するものであり(ヨハネ3:14-15)、怒りの中にあっても憐れみを施される神を覚えさせる記念物でした。

  もう一つの記念物はヨルダン川とギルガルの地に立てられた記念碑です(ヨシュア3章)。これは、モーセの後継者として立てられたヨシュアが率いるイスラエルの民が、ヨルダン川を渡る際、川の流れが塞き止められ、乾いた川床をすべての民が渡る事が出来た事を、永久に記念するしるしとして12の石の記念碑を立てるように言われました。一つはヨルダンから12の石を取ってギルガルに(ヨシュア4:8,20)、もう一つの記念碑は、ヨルダンの中で契約の箱をかく祭司たちが、足をとどめた所に立てられました(ヨシュア4:9)。

 

 すなわち「いにしえの日を覚えよ」とは、彼らの過去は確かに試練の連続でありましたが、同時に、計り知れない神の熱い愛と恵みと勧告が共にあった事を思い出し、その驚くべき神の救いの経綸(御旨)を悟りなさいという意味なのです。

 

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