2015.11.20 19:46
Ⅲ.アダムはエノクの昇天57年前に930歳で死にました。
計算>アダム以後987(エノクの昇天)−930(アダムの死)=57年
アダムとエノクは380年間同じ時代を生きましたが、エノクが天に移される57年前に死んだため、エノクの昇天を目撃することは出来ませんでした。そのエノクについて聖書は、彼がメトセラを生んだ後に神と共に歩んだ、と述べています。すなわち、メトセラを生むまでの65年間は神と共に歩んでいなかったということになります。しかし、メトセラを生んだ65歳の時から365歳までの300年間、彼は神と共に歩みました(創5:21-24)。したがって、アダムはエノクが神と共に歩むのを、243年に渡って見ていたことになります。彼はエノクに対して、罪を犯す前のエデンの園での体験や罪を犯してエデンから追い出された経緯、またその後の生活について懸命に話して聞かせたことでしょう。このようなアダムの切実なメッセージは、彼の7代目であるエノクが神と共に歩み、後に死を見ずに天に移されたことに大きな影響を及ぼしたと思われます。
アダムは930年を生きて死にました。創世記5章5節ではアダムについて、「アダムの生きた年は合わせて930歳であった。そして彼は死んだ」と記されています。ここに出てくる「死んだ」という言葉は、ヘブル語で「ムウト」といい、この単語は「自然死」を意味します。これはカインの殺人事件後、最初に表れた「自然死」の記録です。この「ムウト」という言葉が聖書で初めて記録されたのが、創世記2:17節です。ここで神はアダムに「善悪を知る木からは取って食べてはならない。それを取って食べると、きっと死ぬであろう」と厳重に警告しました。ここで「死ぬであろう」と語られた言葉が、まさに「自然死」を表す言葉です。この時からこの警告の通り実際にアダムの死を通じて、歴史的な現実として現われ始めました。
神が自ら息を吹き入れて「生きた者」として造られたアダムの命さえも消滅させたことは、罪に対する神の怒りがどれほど大きいかを物語っています。人類の先祖アダムの死が、彼のすべての子孫たちの死の始まりであるという点で、事態は一層悲劇的です(ローマ5:12)。しかし、このようなアダムの死があっても、神は彼の子孫を通じて命を繋げられました。これは創世記5章に28回も登場する「生んだ」、「生んだ後」、「生み」と翻訳されたヘブル語「イャラッド」という言葉によって表現されています。神は人間たちの罪によってもたらされた死、また死の呪いを克服するために、救済史を始められたのです。神は人間が自らの過ちによって堕落したにも関らず、その人間をあきらめることなく、神の恩寵と愛によって死を命に昇華させていかれました。
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