救済史の内容と範囲

2015.06.10 14:49

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1.救済史の主題は堕落した人類の救いです。
 人類救済の最も中心で湧き出ているものは、限りない神の恵みです。それゆえ救済史の核心は、恐るべき裁きや怒りではなく、一人でも多くの魂を救いに至らせようとする、神の忍耐と恵みと慈しみの御わざです(Ⅰテサ5:9,Ⅰテモテ2:4,Ⅱペテロ3:9)これまで神は、人類救済の御旨をたったの一度も放棄した事がありません。人の罪が地にはびこったために裁きを受けざるを得なかった時でも、神はいつも想像以上の恵みを施されました。それはまさに、「聖なる種」を保存し(Ⅱペテロ2:5)、最後の切り株を残すためでした(イザヤ6:13)。神は、最も絶望的な状況の中にあっても、そこから命を湧き出させられました。人間の罪が大きくなればなるほど、神の恵みと慈しみの光はより強い光となって放たれたのです(ローマ5:20)。

 

 

2.救済の範囲は人間の全人的救済と全宇宙の回復です。

 アダム一人の罪によって、神の怒りと呪いは全人類におよびました。それは人間のみならず、宇宙万物にまで影響を及ぼす事となりました(ローマ5:12,15,17,20)。ですから、「救済」は人間にのみ限定されたものではありません。全宇宙とその中に存在する霊と魂と肉体を含めた全人救済を言います(ローマ8:19-23)

 

 使徒パウロはローマ人への手紙8章の中で、堕落による宇宙的な3つのうめきについて述べています。 

1は、被造物のうめきです(ローマ8:23)

 人間の堕落によってもたらされた呪いが、すべての被造物にまで拡散されてしまいました(創3:17-19)。ですから万物も、神の子らが堕落した状態から回復され、栄光に輝く救済の日が実現するのを待ち望んでいるのです(ローマ8:19)。なぜなら、その時すべての被造物も呪いの状態から解放され、神が天地を創造された時、すなわち創造本来の状態に戻る事が出来るからです。

 

2は、聖徒のうめきです(ローマ8:23)

 聖徒たちは確かにイエス・キリストを信じる信仰によって神の子とされましたが、未だ肉体は病んで朽ち果ていく、不完全な存在のままです。ですから、彼らもまたイエス・キリストの再臨によって本来の姿である、栄光の体となる事を持ち望んでいるのです(Ⅰコリ15:50-58)

 

3は、聖霊のうめきです(ローマ8:26)

 聖霊は、すべての聖徒たちが一日も早く堕落した状態から完全に回復されることを願いながら、聖徒たちのために「言葉にあらわせない切なるうめき」をもって祈って下さっています。

 

 神の救済の御わざがすべて成就される日、その日こそ、これら3つのうめきが止み、すべて回復された全宇宙に神の栄光が燦然と輝き渡ることでしょう。

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