系図の二つの流れ

2015.06.25 09:09

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 神の贖いの御わざが進行される中、その救済史を妨げようとするサタンの執拗な攻勢もまた、一世代も休む事なく継続的に行われました。カインの殺人事件を始めとして、幼子イエスを抹殺しようとするヘロデの陰謀に至るまで、サタンのわざは救済史全般にわたって表れています(マタイ2:1-13)。創世記4章は、神の救済史を阻止しようとするカイン系列の系図であり、創世記5章は、アダムの息子「セツ」を中心にして、神の救済史を繋いで行った人々の系図であると言えます。このように、系図は神の御旨を成就させていく信仰的な子孫の系図と、その御旨に敵対する不信仰な子孫たちの系図といった二つの流れがあります。

 

 聖書の中心的となる系図は信仰的な子孫の系図です。代表的なものは、創世記5章に出て来るアダムの系図と、創世記11章に出て来るセムの系図です。これらの系図は、アダムからアブラハムまでの信仰的な子孫たちの流れを示しています。また、ルツ記4章にあるボアズの系図も、ユダの息子ベレツからダビデ王に至る信仰的な子孫の系図です。マタイ1章に出て来るアブラハムからイエスまでの42代を見れば、信仰的な子孫を通して成された神の贖いの御わざが一目で分かります。


 次に挙げるのは不信仰な子孫の系図です。聖書はこの系図に対して相当の分量を割愛しています。不信仰の子孫の系図で最も代表的なのは、創世記4章に出てくるカイン系列の系図です。その他にも、ハムの子孫の系図(創10:6-20)や、イシマエル子孫の系図(創25:12-16)、エサウ子孫の系図(創世記36:1-43)などがそれに当たります。


 信仰的な子孫たちの系図は、一人の先祖から最後のすえまで一切漏れることなく、垂直に記録され、遂にイエス・キリストによって実りました。しかし、不信仰な子孫たちの系図はそうではありません。不信仰な系図に出てくる人物たちは、救済の御わざの中で常に神に敵対し、神の民を苦しめながら、自分たちの文化や文明を広め、華麗に建設しようと図りますが、結局は滅ぼされ、歴史の中から消え去ってしまいます。

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