2018.06.20 14:48
(2)ペレグの時の最も特異な点は、父エベルの時に比べ、
寿命が半分に短縮されたことです。
特にペレグは、ノア以後10代の族長たちの中で一番先に死にました。
エベルは464歳まで生きましたが、ペレグは239歳、リウは239歳、セルグは230歳で死にました。このようにペレグ以降、彼らの寿命は200年台から先に伸びる事はありませんでした。
彼らは先祖たちのように長生きすることができず、また先祖たちの寿命の半分しか生きることができませんでした。洪水以降、ノアからエベルまでの敬虔なセム系列の先祖たちが皆元気に生きていた中で、ペレグは誰よりも早く死にました。
このように、ペレグの時代に急激に寿命が半分に短縮されたのは、ペレグとその時代の人々が神を恐れ敬うことなく、御前に大きな罪を犯した事を明らかにしているのではないでしょうか(箴10:27,詩55:23)。
伝道の書8:13 しかし悪人には幸福がない。またその命は影のようであって長くは続かない。
彼は神の前に恐れをいだかないからである。
「ペレグの時代に地の民が分かれた」(創10:25)という御言葉からも明らかなように、その罪とはまさに彼の時代の人々がバベルの塔を建てて、神に挑戦した事です。人間は洪水によって人類が滅ぼされた悲惨な出来事を心に留め、罪から離れて、より神に近づくべきでした。ところが、反って人間のあらゆる知恵を用いて、神の裁きから逃れようと、自らバベルの塔を建て始めたのです(創11:3-4)。
これは、神の洪水の裁きが不当であるとする人間の悪しき潜在意識がもたらした、神に対する愚かな挑戦でした。敬虔なエベルの子ペレグさえも、彼らの目に見える物質や権力の誘惑にさらされ、バベルの塔建設に加わる事によって、神の前にはなはだ大きな罪を犯したのです。
金・ソンイル氏は、古代聖書時代に関する彼の様々な著書の中で、「ニムロデが天下を掌握した後、自分の名を高め、民の謀反を防ぐためにバベルの塔を建設しようとしたが、これはセム部族の精巧な建築技術なしには不可能だったはずである」と述べ、バベルの塔の建設にセム部族が深く関わった事を示唆しています。
このようにノアの洪水以降、犯罪や堕落の波は、敬虔なセムの子孫にまで及びました。これはまるで罪が蔓延していたノアの時代に、神の子らが人の娘の美しさに誘惑されて、結婚した状況と同じです(創6:2)。
セツ系列の敬虔な子孫たちの堕落は、神の心を最も痛ませたに違いありません。それはまさに、神が人を造ったことを悔いるほどでした。そしてその事が洪水による裁きを決定づける要因となりました(創6:5-7)。
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