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2. レメクは、はばかる事なく神の御名を盗用し、
殺人をもって報復行為を実行しました。
 レメクは「私に触れる者は七十七倍復讐を」と歌いました(創4:24)。レメクは「報復してくれる」と歌っていますが、実際レメク自身が手を下したのです。敵に対する報復は、神のみが持つことのできる権限です(申32:35,ローマ12:19,ヘブル10:30)。

 またカインに対する神の特別な配慮と慈悲を殺人者に対する保護策にすり替え、哀れみの法を復讐の法に変えました。カインの場合、神は彼が報復に遭わないよう守られました。しかしレメクは、自分が受けた負傷に自ら報復を行ったのです。これは神の固有の権限に対する侵害行為でした。

 レメクの殺人の歌の中には全知全能なる神の御名を盗用して、公然と誰でもかまわず、無制限に報復と殺人劇を繰り返すと言う悪意が込められています。神の前に驕慢な人間の破廉恥な姿であり、深刻な神性冒涜です。


3. レメクは命と人の価値を軽視しました。

 彼は「わたしは受ける傷のために人を殺し、受ける打ち傷のためにわたしは若者を殺す」と言われています(創4:23)。「傷」はヘブル語で「ペツァ」で、命を脅かすほどの重症ではなく、軽い打撲傷やあざ程度の傷を指します。彼は、僅かな傷にも怒りを抑え切れず、人々の前で自分の力と権力を誇示するために若者を無残にも殺害したのです。これは神のかたちとして尊重されるべき命を価値のないものとして扱う、悪しき風潮が横行するようになったことを物語っています。


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