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 今日の本文は120歳になった老人モーセが、死を目前にして荒野のイスラエルの民に残した教訓であり、神様の救いの御業を悟るにあたって大前提となる御言葉です。救済史を一目で見ることができる最も理想的な縮図が、はるか昔から先祖代々引き継がれてきた、世代を記録した「系図」であるためです。


1. 人類の始祖アダムは、同時代を生きた9代目の
子孫レメクにまで信仰を伝えました。
 アダムは930年を生きながら、7代目の子孫エノクと308年、9代目の子孫レメクと56年間、同時代を生きました。エノクが生まれた時、アダムの年は622歳であったので930歳-622歳=308年、レメクが生まれた時アダムの年は874歳であったので930歳-874歳=56年と計算できます。アダムと同時代を生きたということは、信仰の継承があったということを知ることができます。アダムは自分が経験したエデンの園での堕落する前の世界と、堕落してから罪によって死が来たという事実(ローマ5:12, 6:23)、そして将来「女の末」を通してメシアが来られること(創世記3:15)、彼を信じて悔い改める人は命の木の実を食べ、永遠に生きる道が開かれるという事実(黙示録22:14, 7:14)などについて、彼と同時代を生きていたすべての子孫に教えました。

2. アダムの7代目の子孫エノクは
死を見ることなく
変化し、
天に上げられました
 創世記の中で最も驚くべき事件があるとするならば、神様がエノクを連れて行かれたために、彼がこの世からいなくなった事件です(創世記5:24)。ヘブル11:5-6には、エノクが生きたまま天に上げられた秘訣について、彼の信仰と、彼がいつも「神様を喜ばせる人」であったという証拠を受けた人であったということが詳しく記録されています。エノクはアダムと308年間一緒に生きながら聞いた神様の御言葉を一瞬も逃すことなく、心から信じ、いつも御言葉と共に生きたということです。それだけでなく、彼はこの御言葉を妻と息子たちにしっかりと教え、伝えました(申命記5-6章)。エノクが神様に連れて行かれる前から神様を喜ばせた証拠がこれです。信仰が無くては決して神様に喜ばれることはできません(ヘブル11:6)。この信仰はキリストの御言葉を聞くことによって生まれます(ローマ10:17)。御言葉を聞き、信仰によって従順する人だけがエノクのように神様を喜ばせることができ、神様を喜ばせる人だけが死を永遠に見ることがありません(ヨハネ8:51)。

3. アダムの10代目の子孫ノアの洪水の審判の後から、
人間の寿命が急に短くなりました。
 神様が洪水の審判を定められ、アダムの10代目の子孫ノアに箱舟を造りなさいという命令を下したのは、すでにノアの3人の息子がそれぞれ嫁を迎えた後のことでした(創世記6:14-18)。ノア600歳の時に洪水が起こり(創世記7:6, 11)、ノアが502歳のときに最初の息子セムを産みました(創世記5:32, 11:10)。3人の息子を産み、彼らが成長して嫁を得るためには、ノアが少なくとも520歳以上にならなければいけないので、箱舟を造った期間は120年ではなく、80年未満であったことを知ることができます。創世記6:3の「120年」とは、800-900年であった「人の年」、すなわち寿命が大きく減らされることを意味しています。その理由は何でしょうか?それは、御言葉の権威と能力によって人生を生きていながらも、神様を知っているのにも関わらず下さった恵みに感謝することもせず、むしろ神様に挑戦し、反発したためです(ローマ1:21, 詩篇55:23, 箴言10:27)。人間は神様に対する感謝を失う瞬間から罪を犯すようになり、その罪によって寿命が少しずつ短くなっていきます。信徒の皆さん、本当に長生きしたければ、すべての事に感謝する人生を歩みましょう。

結論: 「いにしえの日を覚え、代々の年を思いなさい」 ― これは、今日「荒野の教会」生活をしている私たちにも同じように与えられている重大な命令です(使徒7:38)。罪によって堕落した時代に与えられる神様の御言葉はともし火であり、わたしたちを導いてくれるガイドであり、羅針盤です。過去の信仰の族長たちは、神様の御言葉を疑うことなく信じて従順しながら歩んだ「いにしえの道、すなわち良い道」(エレミヤ6:16)です。私たちは永遠の希望であられるイエス・キリストに出会う日まで、「いにしえの道」を歩む信徒になりましょう。
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