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 ヨブの苦難と忍耐は測ることのできないほど酷く恐ろしいものでした。かつてヤコブは、「忍び抜いた者は幸いである」、「主から与えられた結末を見るまで忍耐したヨブのように、ヨブの苦難と忍耐を手本にしなさい」と語りました(ヤコブ5:10-11)。

 
1. ヨブの苦難はどれほどのものだったのでしょうか?
 ヨブはウスの地で一番の大金持ちで、従順で正直な人でした(ヨブ1:1-3)。ある日、彼の数多くの僕と家畜の群れが一瞬にして殺され、台風が来て彼の10人の息子と娘までも一瞬にして失ってしまいました(ヨブ1:13-19)。彼の身には足の裏から頭の頂まで、いやな腫物をもって彼を悩ませました。(ヨブ2:7-8)。彼は唾も自由に飲み込めなくなりました(ヨブ7:15-19)。人々は彼につばを吐きかけ、友人たちまでも彼を冷やかしました(ヨブ16:20, 17:6, 30:10)。ヨブは、彼の顔が赤くなるまで神様に向かい涙を流しながら、主が私を打たれたことによって私の望みを木のように抜き去られたのだと、自分の苦しみを告白しました(ヨブ16:14-20, 19:10-12)。
 
2. ヨブの忍耐はどれほどのものだったのでしょうか?
 ヨブが苦痛を受けた期間は30年です。ヨブ42:16-17の改訳聖書と、旧約のヘブル語原文をギリシャ語に翻訳した70人訳聖書と対比してみると、ヨブが苦難を受けた期間を正確に計算することができます。改訳聖書には、ヨブ42:16に、「その後、ヨブは140年を生き、」と記録されています。ここで「その後」とは、「事件が終わった後から」という意味です。ヨブは苦難が終わった後、さらに140年間生きたということです。70人訳聖書ではヨブ42:16を、「ヨブは苦難を受けた後170年を生き、彼は240年を生きて死んだ」と記録されています。ここで出てくる「後から」はギリシャ語で「苦難を受けてから170年ぶりに」という意味です。すなわち、苦難が始まった時は70歳(=240-170)、苦難が終わった時は100歳(=240-140)ですから、ヨブは30年間(=100-70)苦難を受け、その後140年を生き、240歳まで生きて死んだということになるのです。
 
3. ヨブは忍耐の結果、2倍の祝福を受けました。
 ヨブは30年という苦難の中でも、唇を通して罪を犯すことなく(ヨブ1:20-22, 2:10)。むしろ自分の無知、自分の不足さを悟り、悔い改めました(ヨブ42:3, 6, 箴言28:26, ユダ1:20)。そうしながらも、「私はあなたのことを耳で聞いていましたが、今は私の目であなたを拝見いたします。」(ヨブ42:5)という、偉大なる信仰の告白をしました。ヨブは最後まで信仰の聖さを守った結果、神様からヨブにすべての所有の2倍を与えられました(ヨブ42:10, 1:3, 42:12)。また彼の寿命も二倍になりました。ヨブの苦難が始まった年が70歳なので、苦難が終わった後、その2倍である140年を生きるようにさせられたのです。ヨブ42:16の「生き、」はヘブル語で「生存, 旺盛な生命力」を意味します。ですからヨブは140年間、かえって苦難を受ける以前よりも、もっと活力と気力があふれる人生を生きたということを知ることができます。
 
結論:私たちも、苦しみが近寄ってくる時に神様の前にひれ伏し、「神様、この苦痛を通して高慢になることなく、低く謙遜になって神様に頼って歩む機会を与えてくださったことを感謝します。」と告白しましょう。また、最後まで忍耐して、苦難の中で光を放つ義人となりましょう(エゼキエル14:14, 20)。
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