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 神の救済史はアダムが堕落した後、「女のすえ」に関する約束から始まりました(3:15)。この救いの計画に従って、神はアダムとその妻のために皮の着物を造り、彼らに着せられました(3:21)。これは将来、イエス・キリスト御自身がいけにえの子羊として十字架上で血潮を流し、堕落した人間を罪から救い出す事を示しています(ヨハネ1:29,Ⅰコリ5:7,黙5:6)。なぜなら、皮は生き物の血を流す犠牲なくしては得ることができないからです。


 神が皮の着物を自らお造りになり、彼らに着せられたのは(3:21)、罪人なる人間がその罪のゆえに全き不完全(無能)な存在であって(ローマ3:10)、人間の救いはただ神の主権的な恵みによって可能であるという事を知らせるためでした。


 この創世記315節が、世界で最初の「福音」を宣べ伝えることであるとすれば、創世記321節は、世界で最初の「贖いのみわざ」の宣布であると言えるでしょう。神は、キリストの尊い血潮による犠牲を通して人類を救うという驚くべき摂理を、あらかじめアダムとエバを通して見せて下さったのです。その意味で、創世記3章は人類の堕落の始まりであると同時に、堕落した人類の生きる道を開いた福音の始まり、そして贖いの福音の根源であると言えるのです。

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